音楽で五感を刺激する

人はついつい、賑わっている場所に引き寄せられてしまう習慣があります。その場所が知らないお店だったとしても、その賑わいがふらっと立ち寄ってもいい「安心」の後押しとなってくれることでしょう。そして、音楽には、そんな賑わいをゼロからつくる力があります。リラックスしたり、テンションを上げたり…音楽のある環境には「楽しい」があることを、人は潜在的に認識しているのです。なので、出店場所のルールに違反しないのなら、(キッチンカーの)出店中はBGMで万人の五感を刺激する仕掛けを作り、潜在的なニーズを引き寄せるようにしましょう。

選曲は自ら、音は外に向けて

BGMは、カーステレオからではなく、ラジカセやコンポを用い、外に向けた別スピーカーから出すようにしましょう。車内でもっともサウンドが響く環境になっていると、調理業務の集中力や、お客様のオーダーを受けるときなどの接客業務上のやりとりに支障をきたしますし、なによりも本来足を止めてほしい、ちょっと離れた通行人の耳へ(音楽が)届きにくくなってしまいます。なお、小話を挟みながらランダムに曲がかかって“聞き流せる”ようなラジオではなく、お店のカラーに合わせてしっかりセレクトした、CDなどからの音源を流すように心がけることも大事です。

ポップで明るい楽曲を、メニューに合わせて

音の有無だけでも賑わいは変わってくるものですが、曲選びによってより効果的なBGM演出を施すことができます。自分の好きな曲にこだわりすぎたり、ハードロックやヘビメタなどでインパクトのみを強めていくのではなく、明るくてテンポが良く、誰でも親しめるようなライトでポップなナンバーを意識して揃えましょう。「ビートルズ」(的な曲)をスタンダードとする説が有力ですが、タイ料理やインド料理などのお国柄が強いメニューを取り扱うキッチンカーの場合は、国籍を絞った音楽の中からテンポの良いものをセレクトする方が得策です。ともあれ、客観的に見て自身のキッチンカーおよび取り扱いメニューに似合う音楽を、まずは楽しみながらセレクトしてみましょう!