世界観より小国っぽさを

固定店舗は占有できる空間の面積が大きく、大きな「面」での世界観を作ることができますが、キッチンカーは非常に手狭な店舗スタイルなので、「点」でのインパクトを打ち出す方が「人気を得やすい」と言われています。おもちゃ箱のようなごちゃごちゃとしたワンルーム感が、楽しげで親しみやすい雰囲気を生み出してくれるからです。

装飾は、恥じらう程度の派手目に

イベントの雰囲気や出店場所の風景に馴染みすぎるキッチンカーは、素通りされるだけの存在になってしまいます。例えば、外装も内装も真っ白なキッチンカーだと、清潔感のある落ち着いたインテリアなイメージは出せますが、“楽しさ”を感じるには物足りないものとなります。なので、外装には華やかなラッピングを施し、内装には絵や布、商品に関連するおもちゃなどを飾り、照明設備などにもこだわるなど、とにかく賑やかしさを演出していきましょう。厨房スタッフが着用するユニフォームもパフォーマンスに見合ったPOPなものとし、キッチンカー周囲に設置する椅子やテーブル、のぼりなどもカラフルにすることで、お店のコンセプトを楽しく、最大限のインパクトで押し出していきましょう。

狭さを前面に押し出し、特別感を

調理や接客といったオペレーションにおいては快適&有益となるのですが、すっきりゆとりのスペースを確保しすぎたキッチンカーは、傍目に見ると味気ない存在となってしまいます。なので、多少の不便を感じるとしても、(スペースに余裕のあるキッチンカーの場合は)調理器具を嵩上げして目立つ位置に持っていくなど、ごちゃごちゃ感をあえて出してみるといいでしょう。また、クルマ選びの前の段階であるなら、スペースに余裕ができすぎないサイズのものを選択肢にいれましょう。厨房での動きは制限されますが、小さな車にぎゅっとインパクトを詰め込んだ方が、視覚的に(大きなクルマよりも)インパクトを残せるからです。当然ながら、軽自動車タイプのキッチンカーであれば、車両購入費、改造費、設備費、そして人件費を含めた各種維持費もすべてが最小限になり、フットワークもより軽くますので、ご検討ください。