複数台で賑わいを演出

カラフルな塗装やラッピングを施したキッチンカーは、出店する会場で(単独でも)確かな個性を放ちますが、複数台のキッチンカーが集結する光景は、より一層(通行人の)目を引きます。「楽しそうなお店」よりも、「楽しそうな場所」である方が、イベント性が強くなるからです。ショッピングセンターの駐車場など、広めのスペースでの出店を考える場合、場所のオーナー(責任者)に、複数台でのプチ縁日の演出などの“ふり幅”を提案できると話題も盛り上がるでしょう。ただ、しっかりとした足止めが難しいようなロケーションやシチュエーション(人の流れが早い駅前や人の流れが限られる小規模スーパー)では、1台~2台と絞り込んだ方が適当な場合があるので、そこは見定めが必要です。

並べるキッチンカーは相互メリットを考えて

複数台での出店を考える場合は、お店の組み合わせが重要です。例えば、平日のランチニーズを見込むお弁当屋さんなどの場合、お弁当屋さんだけが何店舗も並ぶ光景は、選択肢を得られるユーザー的には嬉しいですが、販売側は単純にニーズを食い合ってしまいます。なので、お食事系キッチンカーの場合は、食後の一服用のドリンク系のキッチンカーと並べるといった組み合わせの妙で、ひとりのユーザーが2店舗ともを利用する流れを作る方が建設的でしょう。ランチ専門の場合は、ドリンクの提供を担うには限界があり、ドリンク専門の場合はお食事の提供に限界があります。お互いの弱点をカバーし合い、強みを引き立て合って、いい場所を創る“補完関係”を確立させましょう。

よき仲間、ライバルは成長の糧

例えメニューが競合していたとしても、同じキッチンカーを生業とする者同士には、仲間意識が芽生えるものです。独特の苦労など共有する部分が多い上、基本は1店舗1~2人での取り回しなので、同じ会場で時間を共にすれば、誰かと話したくなるのはごく自然な流れです。気分転換もさることながら、取り組み方の参考になったり、考え方に刺激を受けたり、自身の成長にも繋がっていくので、出店場所のローテーションの中に、複数台が参加するイベントなどを組むことは、おおいなるプラスとなります。そこで出会った、メリットを共有できる気の合うキッチンカー仲間との企画出店で、さらなる発展の可能性を模索していきましょう。