まずは短期出店からが定番

キッチンカーの強みは「いつでもどこにでも移動できること」です。なので、とある場所に実際に出店してみて、客層や人通りの関係から「場所が合わない」となれば、早々に撤退し、次の場所での再チャレンジが可能となります。ただ、その“都合のよさ”は場所を提供する貸し主側にとってもメリットになります。自身が管理する場所に実際に短期出店をさせてみて、「お店が合わない」となれば、早々に更新をしない判断をし、次のお店を迎える段取りができるんです。スーパーやショッピングセンターなどは、売り上げとイベント性の相乗効果を鑑みて敷地内にキッチンカーを迎え入れており、お客様の苦情や、衛生面の不徹底など、本体にマイナス効果を生むようなお店は望んでいません。なので、はじめはお試し期間としての短期的な出店許可をもらうカタチになりますが、逆にいうと、チャンスは貰いやすい環境でもあるので、出店場所のニーズもきっちり抑え、胸を借りるスタンスで臨みましょう。

開いてみて分かる本当の相性

キッチンカーのオーナーになれば、ほぼもれなく、多くの出店場所移動を経験することになります。ニーズのある所に自ら営業出向くスタイルであることもそうですが、実際に出店してみたら「思った以上に相性が合わなかった」という結果もままあるからです。実際、出店前の現地リサーチをいくら慎重に行ったとしても、具体的に「どんなお客様が集まるか」は、ふたを開けてみないと分からないもので、この目利き力は経験を重ねて得ていくしかありません。なので、キッチンカーオーナーを始める際は、方々へのチャレンジだけでなく、もともと「土地勘」のある地域に密着した出店を、定期的に組み込んでおくことを推奨しています。

次の手、別の手を常に考える

定着できる出店場所が見つかり、長期的な売り上げ確保が見えてきた場合、貸し主との良好な信頼関係を維持継続する努力も怠らないようにしましょう。貸し主側の事情により、撤退を余儀なくされることはもちろんありますが、貸し主側にもキッチンカーへの思い入れを持って貰えていれば、暫定的なものだとしても、不条理な契約終了、いわゆる立ち退きへの抑止力は生まれます。どちらにしても、移動ありきのキッチンカーであることを念頭に置き、貸し主の事情にもいつでも対応できるよう、別の一手を考えておくことが大事です。