あえて地に足を付けるスタイル

キッチンカーが持つ、飲食業界全般でのアドバンテージは、「キッチンごとどこにでも行けるフットワーク」です。新たな客層をどんどん開拓していく“出張”目的で導入する固定店舗も増えていますが、あえて厨房キッチンの“最寄り”での営業を軸とするお店もあります。キッチンカーの存在そのものが希少なので、ニーズの合致する場所が近隣にあれば、交通費や時間をかけて遠出をする必要もないわけで、むしろ「地域密着」を打ち出すことで、他のキッチンカーとの差別化を図ることもできます。

日程の組み方が浸透を左右する

キッチンカーでの営業を、長く続けられる「週休2日体制」で考えると、稼働日は週に5日間、そのうち1~2日を遠征も含めた週末のイベント出店などでの新規開拓、同業者交流、リサーチ、ブランド力向上に費やし、残りの平日の全てを地域に密着した“浸透”に充てるのが、効率面においても理想の組立てだとされています。直接交渉や、登録したキッチンカーの派遣業者(企画会社)を通して、メニューとの相性のよさそうな客層が望める、大きな駐車場を持ったスーパーマーケットなどの賑わいスポットでの出店を確定し、曜日ごとのスケジュールを埋めていきましょう。

移動のメリットを活かし地域全体をカバー

キッチンカーは「非日常」がウリなので、地域密着とはいえ、「毎日同じ場所に出店」というスタイルはおススメしません。むしろ、拠点から半径何キロ以内とか、絞ったエリアの中で曜日ごとの出店場所を変えていく方が、スポットごとでのレア感を保ちつつ、リーチも増やしながら、ご当地感をより効果的に高めることができます。地域全体でお店の存在が浸透してくれば、お祭りなどの地域イベントや、地元企業の企画事にも呼ばれやすくなりますので、長期的に見ても、安定的な売り上げを望めるようになるでしょう。なので、キッチンカーの片隅には「出店依頼もお待ちしています!」的な告知看板も必携です。商工会や商店会組合的な団体にも可能な範囲で加入して、地域密着のお店としての存在感、関係性、人脈をより一層深めていきましょう。