お客様は「人の温もり」も期待して訪れる

インターネットが全世代に普及し、情報収集にとどまらず、消費行動までもがオンラインで成立するようになったここ数年。スーパーやコンビニではセルフレジも導入され、様々な商業活動において、効率重視の「無人化」が進んでいますが、一方で飲食店全般に関しては、まだまだ人(店員)とのコミュニケーションが残っていて、求められています。全てがデジタルで完結する状況が「日常」になっているからこそ、人と人とのアナログなやりとりが「非日常」として歓迎されている部分もあるのかもしれませんね。特にキッチンカーは、人のいるところにわざわざ出向く、ウェルカム状態を全開にした飲食店形態です。わざわざ立ち止まってくれるお客様は、コミュニケーションへの期待値も抱いているものと認識した上で、出来立てメニュー以上に温かみのあるサービスの提供を心がけていきましょう。

イメージは小さな大衆居酒屋

キッチンカーのスタイルは、オーダーを受け、目の前で調理を行い、商品を手渡し、会計までを一連の流れで行う、短時間集中型の完全対面販売です。小さなお店なので店員とお客様の距離感も最短なので、この状況下で求められる「+α」は、やはり心地よいコミュニケーションとなるでしょう。テンポの良い会話でお客様のワクワクを膨らませ、ちょっとしたお願いに対応して特別感を提供し、常連客となればこっそりサービスも…大衆居酒屋のカウンター席さながらの醍醐味を、開放的な空の下で楽しめる環境に、デジタルの要素は介在しません。情報ゲットのきっかけはインターネットでも、その場ではアナログな人の温もりで心を掴む…キッチンカーなら、そんなギャップを最大値に引き出せるのです。

短時間で、先に続く心地よい会話を

楽しい会話は終わらせたくないもの。お客様が「また来よう」と思えるお店には、そこにしかないコミュニケーションがあります。大衆居酒屋のような固定店舗(特にカウンター席)ならじっくり腰かけて長居できるので、一度の来店である程度の満足は得られますが、「立って待つ」キッチンカーの場合は、一連の流れが2~3分で完結してしまうので、楽しい会話もまさに“あっという間”です。もちろん、混雑時以外ならもう少しゆったりと話せる特別な時間を提供できますが、交流を重ねるにはどうしても回数が必要となるのです。美味しい味と楽しい会話の思い出を提供し、確かなリピーターを獲得しましょう。