新メニューはマンネリの打開策

「オーダーの〇割(※高い数字)が××」といった、絶対的定番商品を持っているキッチンカーは強いです。キッチンカー内の厨房は基本的に狭く、多彩なメニューをまかなうキャパシティがありません。もし、まかなえるサイズのキッチンカーを用意しても、事前に仕込む厨房キッチンから作業量も増え、人出も必要になり、食材ロスも出やすくなるでしょう。絶お客様に明確な「決め手」を示す絶対的定番商品は、キッチンカーオーナーの利益も生み出す成功の「決め手」にもなるのです。とはいえ、定番一辺倒のままでは、リピーターの「飽き」が生まれてしまいます。なので、このようなマンネリの打開策として常に構えておきたいのが、定番商品の横に並ぶ月替わり(※目安)の「新メニュー」なのです。

アレンジだけでも立派な新メニューに

「新メニュー」にもいろいろあります。旬の食材を活かした季節限定メニューや、和洋のアクセントを入れ替えた変化球メニュー、お客様の声に応えたリクエスト発のメニューや、定番メニューに豪華食材でアレンジを加えたグレードアップ版などなど。もしキッチンカー側に余裕があれば、定番とは全く別モノを提供するというチャレンジも面白いといえば面白いのですが、単純に効率と費用対効果を考えると、定番の提供の延長線上でできる範囲の変化を加えるのが現実的です。ソースや具、トッピングなどの仕上げを変えるだけでも、名前を変えれば十分に新メニューと呼ぶことができます。お客様は「すぐに食べたい」との思いでキッチンカー(の行列)に並びますので、待たせてしまっては本末転倒。提供に支障をきたすような新メニューの導入は、少人数体制のキッチンカーでは避けるのが正解です。

定番メニューとの相乗効果にも期待

新メニューの定期的な登場は、定番商品を愛してくれるリピーターの「飽き」に対する抑止力となり、むしろ「よりコアなファンになりたい」との思いを掻き立て、新たな購買意欲へと誘導するメリットがあります。新規のお客様にとっても「新メニュー」の響きは特別感があり、そのきっかけから定番商品へと流れるパターンも多々。2人組なら、シェアという楽しみ方も広がります。新メニューという選択肢は、シンプルに購買に至る理由を広げてくれるのです。なので、新メニューを考える際は、お客様の目線に立ち、「適度に珍しく、確実においしそう」な着地点を探しましょう。出落ちのような奇をてらったメニューは、定番のどっしり感をも薄めてしまう可能性があるので、インパクトの濃度は慎重に!