場所、時間帯に順応する
キッチンカーの出店においては、場所とタイミングのセレクトセンスも常に問われます。たとえ人通りが多い場所や時間帯でも、客層や状況がマッチしなければ、ただただ素通りされるだけの不毛な時間が過ぎていくのです。キッチンカーの活躍の場となる平日のオフィス街や住宅街、週末のイベント会場など、どの場面でもニーズは異なってきますので、「出店する」「出店しない」の判断までも含んだ、売り上げを確実に確保するための事前準備が不可欠となります。
住宅街は、日常の中にさりげなく
平日のオフィス街では、ランチ休憩の時間帯が主な勝負どきとなり、ニーズをしっかり満たすお食事系メニュー(お弁当など)を揃えての短時間勝負となります。出店時間は短くなりますが、固定客をしっかりつかんでおけば、安定した一日分の売り上げを一気に上げられるのでむしろ高効率です。住宅街の駅前での出店の場合は、近隣住民と駅利用者が主なターゲットとなります。よって、ランチメニューもさることながら、夕食前のおやつ需要も高くなります。部活帰りの高校生などは低価格でボリュームのあるものを求めがちなので、メニュー選びは万人受けと低価格を軸に考えておくとよいでしょう。必要不可欠なものとして毎日利用してくれるような客層ではないので、そのような客層が期待できる出店場所を数か所抑えておいて、曜日ごとにローテーションを組んでおけば、長く愛される定番のキッチンカーとなれる可能性が高くなります。
週末のイベントは、気軽に楽しめる個性的なモノを
イベント会場で取り扱うメニューについては、腰かけ休憩でじっくり楽しむニーズももちろんありますが、過ごし方の特性上、食べ歩きでサクッと味わえるようなワンハンドフードであれば、より確度が高くなります。販売対象は常連客ではなく、あくまでも初めましてのお客様ばかりとなりますので、大きくわかりやすい写真付きのPOPを掲げたり、呼び込みのスタッフを手配するなど、足を止めてもらう宣伝の工夫を考ておくといいでしょう。また、イベント(での出店)については、主催者やイベンターからの要請がないと出店そのものが実現しませんので、他車とは一線を画すオリジナルメニューや、イベントに合わせた限定メニューなどを図りることで、指名を受けやすい状況を作ることも念頭に置きましょう。