価格のバリエーションは控えめに

キッチンカーで提供する商品は、たまたま通りかかった人の瞬間的な興味をキャッチする要素が多ければ多いほど有利です。なので、商品そのもののポップさもさることながら、すっきりとした“わかりやすい”数字でのお手頃価格が掲示されている必要があります。選択肢があるにしても、3パターン程度の価格設定に抑えることで、お客様に優しく、親しみやすい打ち出しができるようになるんです。

お釣りがシンプルになる設定を

他店との競合を考え、少しでも優位性のある値段を、と考えた際、価格表示に10円単位でバラつきが生じることがありますが、例え「10円安い」としても、キッチンカーにおいては逆効果になることがあります。「○○弁当は440円で○○弁当は530円、○○付きなら○○は610円」といった、細かすぎる料金が羅列されていると、ぱっと見の印象が薄くなる上に、複数購入の場合の計算や、支払いやお釣りの受け取りが面倒くさそうといった、お客様が立ち止まったり、躊躇したり、再検討に至るための軽いワンクッションを与えてしまいます。なので、せめて10円玉が発生しにくい50円区切りで揃えることで、わかりやすい印象を与えてみましょう。つまり、支払いもお釣りもよりシンプルになる100円単位での区切りは、よりスッキリとした印象を与えますし、その究極は500円均一だったりしますが、あくまでも現実的な範囲で検討しましょう。

経費での微調整も視野に

すっきりとした金額設定は、お客様の頭をよぎる「購入する」絵をシンプルにします。計算が簡単で、お釣りも小銭の枚数が(基本的には)かさばらず、お金のやり取りがスムーズになることで提供のリズムがテンポアップすることは、お客様にとってもキッチンカー側にとってもメリットだらけです。かといって、場所代や原材料費などの経費を考えると、「低めでキリのいい価格設定」の実現はなかなか難しいもの。そういった場合は、「値段重視」か「ボリューム重視」かの軸で商品そのものの内容を微調整するか、経費全体の圧縮を考えるなどでの対応も考えてみましょう。そのぐらい、「すっきりした価格帯」の印象づくりは、取り組むべき優先事項なのです。