利益を相殺する食材ロス

キッチンカーで販売されるメニューの多くは、お客様がその場で興味を持ち、その場で買って、その流れでいただけるようなもので、“日持ち”させることを前提とした商品はほぼありません。なので、ある程度の売り上げが上がっても、 “処分するしかなくなった”売れ残りがあれば、その数の分だけ利益は相殺されてしまい、場合によってはマイナスが出てしまうこともあります。なので、キッチンカーオーナーには、“作りすぎない工夫”ができるバイタリティも求められます。

ロスを減らし、得るべき利益を得る

調理済みのものや仕込んだものはもちろん、食材そのものに関しても、日持ちしないうえ、使いまわしの効かないような在庫はなるべく持たないようにしましょう。仕入れに出かけた際、一括購入の方がお得という場面は多々ありますが、使い切る目途がないままの“とりあえず”購入(買いだめ)は、もっと有益に使える(かもしれない)現金を、なんとなく捨ててしまうようなものです。それが冷蔵ものや冷凍もの、缶詰など保存の利く食材であったとしても、保管用の場所を確保しないといけなくなりますし、冷蔵冷凍庫など保管用機材を使用する場合は、若干ながら、光熱費の負担も嵩んできます。「ロスを出さないプロセスも、確実な利益に繋がる」という認識を持って、日々の仕入れ計画、現場での臨機応変な調理プランを組み立てていきましょう。

「売り切り」優先という割り切りを

商品や食材のロスを出さないためには、数を多く売らない前提で仕入れるか、確実に売り切る(在庫を掃けさせる)工夫をするか、の2択からバランスを取っていく必要があります。例えば、現場の特性や出店日の天候などで集客を見定めて、必要十分な一日分の利益を確保できる分だけのメニュー数をまかなえる食材を用意し、「限定〇〇食」と銘打てば、数を打てない状況をポジティブに打ち出すことができます。早い者勝ち感が伝われば、潜在的なお客様の動きも能動的になり、早々に売り切ることができ、その結果として稼働時間も抑えられるという、運営そのものの高効率化が望めます。「早く終わるに越したことはない!」な働き方のスタンスの方が、働く本人のモチベーションも長続きしますのでお勧めです。