資金計画は不足がないように

キッチンカーは、固定店舗に比べて、あらゆるコストダウンが図れることから運営のハードルが低く、チャレンジングな取り組みも含めて飲食「店」業界の裾野を広げ続けていますが、(ハードルが低い)とは言っても、それなりの開業資金は必要となります。例えば、店舗そのものとなるキッチンカーは、ベース車両、内外装の改造費、設備の購入費用といった、中古でも100万円規模の投資案件となりますし、新車なら倍以上は見積もらないといけないでしょう。さらに、準備中に、追加の設備や物資が必要になることも多々ありますから、このあたりも先回りした腕、早い段階(半年ぐらい前)から余裕をもって見積もり、貯蓄や借り入れでの資金確保をしておくことが賢明です。最安値の相場で見積もってしまっていて、開業資金が足りなくなった…この“失速”の事態だけは避けたいものです。

大きく左右するのは、店舗、厨房の予算

キッチンカーをつくるには、まずベースとなる車両が必要です。中古なら数十万、新車ならその倍はかかります。そこに、店舗部分のコンテナ架装や塗装・ラッピングにかかる「外装費用」と作業台や陳列台、運転席との仕切り板の設置にかかる「内装費用」を重ねることで、はじめて「移動販売車」としての本体が出来上がります。内外装に関しては、DIYでまかなえるところはまかなえるので、ここは要不要を見定めつつ、現実的な可否を照らし合わせながら、綿密に見積もっておくといいでしょう。キッチンカーにはさらに、水回りや換気扇、冷蔵冷凍庫や電気系統などにかかる「設備費用」も重なってきますので、中古でまかなえる場合の最低値と、中古で見つからなかった場合に新品でまかなった際の最大値を両方見越して資金を備えておきましょう。そして、キッチンカーでは調理工程の全ては行えないので、仕込み用に、別途(固定の)厨房キッチンも必要です。その設備費用なども、新設となればそれなりの費用が掛かるので、早々に見積もっておかないといけません。ちなみに車両、厨房キッチン両方に、保健所の許可が必要なので、その費用も加算しておきましょう。

周辺も見渡しながら、細かい予算組みを

看板やメニューボード、のぼり旗などの現場での装飾品もさることながら、ホームページの立ち上げやチラシなど、宣伝費用にも開業&運用資金を使っていくことになります。それらの情報発信に不可欠となる、パソコンまわりや電話まわりの通信機器のツール関係にかかる予算も事前に把握しておきましょう。