掛け捨て、と思える価格帯がマスト

通りでたまたまお店を見つけ、ついつい手に取ってしまう…そんな“縁日の屋台”的な魅力を演出するキッチンカーで販売される商品は、そのどれもがお手頃価格での提供を前提としています。固定店舗なら、内外装のあらゆるしつらえで高級路線の演出も可能ですが、何かと制限のあるキッチンカーでの打ち出し方では、その役割は不相応です。お客様に“たまたま”湧いたワクワク感をすっと後押しできるのは、臨場感とスピード感、そしてお得感となるのです。1000円札を出して十分におつりが出る、この小気味いいやり取りを意識した価格設定を模索しましょう。

周辺のライバルを目安に

客単価の設定は、出店する地域によって異なってきます。なので、平日の曜日固定での出店でも、週末のイベント出店でも、半径500メートルにあるライバル店を事前にリサーチしておきましょう。そのライバル店には、キッチンカーや固定店舗の飲食店に限ったことではなく、コンビニや総菜コーナーのあるスーパーマーケットも該当してきます。例えばランチに特化したキッチンカーでの出店を予定するなら、知っておくべきは定食やお弁当の価格帯です。出来立て、詰め立てというアドバンテージがあったとしても、価格差が相応でなければ、「お試し」という初動も起きにくいものです。近隣のランチユーザーが、いくらほどの予算感で日々の飲食を楽しんでいるのか、しっかり把握しておきましょう。

飲食店とコンビニ価格の間で着地

さて、提供する商品の具体的な価格設定についてですが、固定店舗の飲食店を下回るのは当然として、コンビニやスーパーの安さには及ばずとも、いかに「満足できなくてもそんなものかな?」と、新規開拓するきっかけを至れる価格帯に収まってくるかどうかが鍵となります。なので、ランチメニューで言うと、コンビニやスーパーで販売されているお弁当の最安値が「400円」程度で、周辺の飲食店のランチが「800円」程度となるなら、その間の価格帯に着地しておきましょう。