「主商品」と「副商品」の相互関係で
キッチンカーは、ファミリーレストランや居酒屋のように“多彩なメニュー”を提供できるつくりにはなっていません。根本的にはサイズや設備環境からくる状況ですが、お客様がメニュー主導で自由にお店(車)を選ぶ性質から見れば、そもそもキッチンカーに対し、商品の充実を求めていないという側面があります。キッチンカーには、看板メニューとなる「主商品」と、+αの「副商品」があれば十分なので、まずは“顔”となり、派生メニューを広げていく元となる「主商品」の魅力を際立たせることが大切です。
「主商品」は、派生を含めた3~6品で十分
キッチンカー市場で最もアツい「ランチメニュー」、そのお弁当を見てみても、実際に扱う「主商品」は3~6品と控えめです。求められる「新鮮で温かくて美味しいもの」を“お手頃”に提供できるよう、材料、そして人手間のロスを抑えているのです。その3~6品の「主商品」の中に、圧倒的な“主役”があれば、お目当てに間に合わなかったお客様が、仕方なく派生商品に手を伸ばす可能性も高く、結果、売れ残りを抑止することになります。売れ残りがないということは、その日の売り上げ目標を100%達成するということで、長期での運営ビジョンも見えてきます。そして、「主商品」から派生する“その他”の選択肢は、お店そのもののファンを飽きさせず、選ぶ楽しみを演出する抑止力にもなるので、やはり3品以上6品以内、可能な範囲で用意しておきたいところです。なお、保存のきく食材を用いるメニューの場合は、単純に品数を増やしてもいいでしょう。
「副商品」には「主商品」を引き立てる役割を
「副商品」は、「なくてもいいけどあると目を引く」添え物的なポジションです。「主商品」が定番中の定番であるなら、ちょっと外したチャレンジメニューを「副商品」とすることでお店としての遊び心もアピールできます。そして、外国メニューや日本のご当地メニューを「主商品」とするお店なら、マニアックな名物メニューを用意しておけば、本格派のイメージを高める効果が期待できるでしょう。「主商品」にぴったりなおススメドリンクメニューなども、利益を重ねる意味でもいい選択です。いずれも、「主商品」の“引き”あっての「副商品」なので、そこに力を注ぐのは、追い追いで構いません。