本格コーヒーが主役のキッチンカーが増えている

移動販売車は日々、多種多様なジャンルのものが登場していますが、やはり飲食系のキッチンカーが大勢を占め、ランチやホットスナック、スイーツなど“食べ物を”提供しているお店が定番であるという印象があります。しかしここ最近は、年々過熱するカフェブームや、記憶に新しいタピオカドリンクの大ヒットに乗り、“飲み物”系のお店も数多く見られるようになってきました。特に、国内外から進出したチェーン系(固定)店舗のオープンが続き、コンビニやファストフード店で提供される商品も“淹れたて”にシフトしてきたことで、舌の肥えたコーヒーファンが増えており、その高まった需要が、キッチンカー市場にもきっちりと及んできているのです。そして、群雄割拠の分野に飛び込んだ各店は、オリジナルブレンドでの自家焙煎にこだわり、その質感と雰囲気をSNSとメディアとで広げる努力を重ね、人気店の仲間入りも果たしています。コーヒーが定着したからか、紅茶など、根強い派閥を持つドリンク店の進出も目立ってきているのが、ドリンク系キッチンカーの現在地です。

カフェ特有のゆったり感を、経営スタンスにも

カフェで扱えるメニューは、どれも単価がお手頃で、ひとつひとつに対しての粗利は飲食系に比べれば決して高いものではありません。また、ランチ弁当の販売のように、瞬発的に売り上げを上げられるような“狙い目”の時間帯がないというのも特徴で、朝から夕方までまんべんなく営業し続けて、売り上げと認知度をじっくりと重ねていく、“根気”を必要とする業態となっています。あちこちに転々と移動できるのが、キッチンカーのメリットなのですが、人通りや環境など、理想的な場所を一度決めたら、なるべく同じ場所で、じっくり長く続けていくことをおススメします。

周辺のゆったり環境を意識する

カフェと言えば、ゆったり時間が流れる居心地の良さも醍醐味です。もちろん、片手に持って歩きながらという楽しみ方もあるのですが、座ってゆったり楽しむシチュエーションが備わった場所をしっかり選んで出店するのがカフェ店舗の場合は望ましく、週末のイベントはもちろんとして、平日なら公園や繁華街など、ふらっと腰かけられるポイントをチェックしておくことが大事です。自身の想像を膨らませ、「買ったらそこで飲もうかな」「あそこで飲んだらよさそうだから買おうかな」と思える天然の特等席を見極めましょう。