キッチンカーは、お弁当屋が主流
週末のイベントに足を延ばすと、ホットスナックやドリンク、スイーツなどの一品メニューを提供するカラフルなキッチンカーが軒を連ね、行列がついている光景を目にしますが、その一方、平日のオフィス街で大活躍しているのが、ランチメニューをお弁当スタイルで提供するキッチンカーです。ランチタイムという限られた時間を狙い定め、集中的かつ計画的に収益を上げられることから、“定着”を狙った新旧キッチンカーが競い合う、今最もアツい(移動販売の)マーケットともされています。
提供方法は大きく3つ。長所はそれぞれ
お弁当を提供するにしても、その提供方法はお店やメニューによってそれぞれで、ざっくり3つのスタイルに分けられます。まずはキッチンカーだからこそできる出来立て&焼き立て感を最大限に演出できる「出店場所で調理するスタイル」で、目の前で調理を行うライブ感と香りで、人を惹きつける効果があります。もうひとつは真逆の「作ってきた弁当を売るスタイル」で、調理工程がなく、手間は手渡しと会計だけなので、お客様を待たせることなく、短時間での提供ができる桁違いのスピード感を持ち味とします。最後は、ご飯やおかずはあらかじめ数品作って並べておいて「お客が選んだものを目の前で詰め込む」セミオーダースタイルで、これは先述の2つの方法の中間にあたり、自由度とライブ感がありながらも一定のスピード感を担保してくれます。
労力は同じ、魅力を発揮できるやり方を
「出店場所で調理するスタイル」は、キッチンカーならではのライブ感や出来立て感と引き換えに、その場での提供スピードを犠牲にしますし、「作ってきた弁当を売るスタイル」はその場での提供スピードと引き換えにライブ感や出来立て感を演出できない…メリットもデメリットも真逆なものです。ただ、同じメニューで同じ数を売る場合、出店場所で調理するなら仕込み時間は短くて済みますし、弁当を売るだけなら仕込み時間は長くても出店時間が短くて済むので、トータルでかかる労力は変わりません。なお、前者のライバルは飲食店となり、後者のライバルはコンビニやお惣菜屋さんと、ターゲットは異なってきます。「目の前で詰め込む」中間のスタイルと合わせて、自身が提供するメニューが、どの方法なら魅力が膨らむかを想像し、自身が理想とする働き方とのバランスを鑑みながら、ベストな着地点をセレクトしてくださいね。