仕入れは、収益の始まり

固定の拠点が存在せず、必要とされる時に必要とされる場所へと出動することではじめて売り上げが上がるキッチンカーを運営するには、不安定な中でも上げるべき収益をきっちり上げる、バランス感覚が求められます。なので、現場でのオペレーションもさることながら、常にお客様の動向を見定め、次の出動に向けての適切な仕込み量を予測し、その前段階となる仕入れまでを逆算することで、時間を含めたあらゆるロスを抑えないといけません。これらの感覚は、営業を継続していく中で自ずと身に着いてくるものですが、少しでもいいスタートを切り、いち早く軌道に乗せるために、まずはベストな(食材の)仕入れ先探しから始めましょう。

仕入れ先は、ロスの少ない場所を

食材を仕入る上で、「質が良く、価格も手頃」であることは、どの飲食業においても絶対的な条件ですが、固定店舗なら、専門業者からの一括仕入れで解決する課題です。ただ、規模も小さく、開店も不定期なキッチンカーでは、相当なスケールにならない限り、業者取引は非現実的です。「価格が手頃」という条件を少量でも満たしてくれた上、さらに「同じ食材の在庫が常にある」状態が約束されなければ、メニューそのものにもムラが出てしまうので、理想のお店は自らの足で探す必要があります。とはいえ、そのお店があまりにも遠方だったり、各素材でバラバラな場所にあったりすると、食材の調達にかかる時間や燃料費などが無駄にかかり、非効率です。駐車場や調理拠点から出店場所までの「行動ルートの間にお店がある」お店がベストなので、長期で通うような出店場所が決まったときは、あらかじめ周辺のお店をリサーチし、絞っておくことをおススメします。また、外国の調味料などの輸入素材を使う場合は、なるべく定期的にまとめ買いしておくのが、ロスがなくてよいでしょう。

仕入れが安定したら、細かいロスに目を配る

魚や肉、野菜など、鮮度が必要な食材を、その都度調達できる良質な仕入先が決まり、実際に利用を始めたら、次は購入すべき量を見定められるようになりましょう。メニュー一品に対し、どの食材をどのぐらい使うかを、目分量でなく数字できっちり割り出すことで、食材単位で必要な仕入れ量が見えてきます。そして、財務を見直す際にも、どのメニュー、どの食材で調整するかを明確にできるので、立て直しも早くなるんです。