目標に、期間を明確化するストイックな運営スタイル

「一日の売り上げを〇円に伸ばし、〇カ月持続できたら」という数値目標を決めてから“本業”というゴールにゆっくり向かう…キッチンカーはそんな副業・複業からの事業計画を可能にしてしてくれますが、中には「○年〇日まで」という絶対的な期間設定で挑む、ストイックスタイルのキッチンカーオーナーもいるんです。

期間を設けることで、濃密なキッチンカーライフを

固定店舗の開業日を最初から設定し、次のスタートに至るまで、どれだけ成功体験を積んで次に活かすか、を軸にする“期間限定”スタイルは、キッチンカーが「固定店舗へのステップアップ」という位置づけをより明確にしています。キッチンカーは、基本的にひとりで全てのオペレーションを賄えるサイズ感で、設備も限られており、「本格的な飲食店を開きたい」というビジョンが明確にある人にとっては当然物足りないレベルの環境です。なので「スタートから固定店舗を賄うには、現実的にノウハウも知名度も足りない」と判断し、「足りないものを補うための実践的な修業期間」としてハードルの低いキッチンカー運営に踏み切る方法は、オーナーのモチベーション維持という観点においても建設的だと考えます。

終わりが見えれば、その準備もできる

「固定店舗への足掛かりに」という考えでのスタートが多い “期間限定”キッチンカーですが、明確な未来までは描いていないものの「軌道に乗らなかったら断念」と強制的な締め切りを設けることで“追い込みをかける”という取り組み方もありますし、単純に「ずっとはできないけど楽しい経験はしてみたい」を理由とするライフスタイル志向の取り組み方もあるでしょう。2~3年で区切るとするなら、学生時代の部活動のようなもので、ユーザーの共感性も高いでしょうし、なにより「今だけ」のレア感が購買意欲をそそるという効果も期待できますので、“期間限定”キッチンカーの在り方は、ひとつのエンタテインメントとしてかなり有能です。現実的にいい終わり方をするには、まずは借金を残さないこと、自己資金から赤字部分も逆算して、期間を設定するのも“期間限定”を楽しむポイントかもしれません。