固定店舗と相乗効果を生み出せるキッチンカー

キッチンカーをはじめる場面は、なにも新規開業に限ったことではありません。既に固定店舗を構える飲食店が、売り上げ拡大や宣伝効果などを期待する新業態として“追加”するパターンもあります。こと料理に関しては、キッチンカーで全ての調理工程を賄えるわけではないので、“仕込み”を行うための環境が別途必要となってくるのですが、固定店舗では厨房が最初から備わっていますし、開店前のお店を有効に活用することができます。固定店舗特有の閑散時間の収益を補う出張店舗として、効率的に活用しているケースが多いです。

固定店舗がキッチンカーに依存するのはアウト

キッチンカーを始めるには固定店舗があるとはじめから有利…となると、「固定店舗の売り上げが厳しいから」という考え方に至りがちですが、それはあまりお勧めできません。固定店舗そのものの人気が確立していて、未開拓の場での人気の拡大が見込めるなら、キッチンカーへの投資は建設的かと思います。キッチンカー自体は初期投資も維持費用もコンパクトですが、経営者がどっちつかずになってしまっては本末転倒ですので、まずは固定店舗だけではカバーしきれないレベルの需要を生み出すことに専念してください。キッチンカーで主力商品になれる、進化させられる名物メニューがあるかどうかも、キッチンカー導入の判断を下す上で、大事なポイントとなります。

専門のスタッフの育成が鍵

キッチンカーは、基本的にメイン商品の“一品勝負”で、多彩なレシピを賄える固定店舗とはオペレーションがまるで違います。なので、固定店舗のノウハウを熟知しながら、キッチンカー独自の応用法を模索でき、教育担当者となれる専門スタッフを一人だけあてがい、不足人員は開店日のみ稼働できるアルバイトで賄うのが運営として効率的です。