個性が試されるキッチンカー市場

キッチンカーは、投資面でのスタートのハードルが低い飲食店の開業方法です。とはいえ、商売として成り立ち、利益を生み出していかないと、低く抑えた投資もただの浪費で終わってしまいます。先発で存在するお店だけでなく、後発にもライバルが続々と出店し、似たような属性のファンを奪い合う“進出しやすい”マーケットだからこそ、自分の店にしかない確固たる強みと個性を持ち、伸ばして打ち出し続けていく必要があります。埋もれないために必要なのは、工夫への惜しまない努力です。

これは!というメニューを作る

お店の独自性を担保するために、まず最優先で行いたいのが、主力商品の慎重なセレクトです。他にはなく、可能性を確信できる看板メニューの企画開発は、車両の手配の前段階から時間をかけて取り組まなくてはいけません。メニューの概要が固まってきたら、適正価格から見える限られた原価設定の中で、どのように質を上げていくのかを考えます。質が高ければ高いほど、同ジャンル・同価格帯の選択肢の中で、単純に一歩抜きん出ることができるからです。同ジャンルにおける優位性が確立され、実績も重ねて行けば、集客力のあるイベントからの声もかかりやすくなり、より濃厚なノウハウが蓄積され、よりポジティブな出店ルート開拓にも繋がっていくことでしょう。

キッチンカーという看板を活かす!

キッチンカーの強みは、目の前で調理を見せられる距離感の近さで、接客力、パフォーマンス力を高めれば、より主力商品のオリジナリティを際立てることができます。そして、車両そのものがお店となるので、大胆なカラーリングやラッピングで、文字情報だけでなく、お店の雰囲気を前面に押し出せます。そこに合わせ、スタッフの服装を揃えるなど統一感を打ち出せば、周囲には点ではなく、面でのインパクトを与えることができ、より記憶に残る店となることができます。華やかなキッチンカーは、当然見た目もSNS映えするものになりますので、口コミを最大限に活用できるパッケージになるでしょう。口コミが実際に広がり、手ごたえを感じられたら、開業コストとランニングコストを抑えられた分を公共のメディア媒体への広告に回し、「今話題」の事実をより幅広い層にリーチさせるのも効果的です。