移動販売に、特に向いてる人がいます。
どんな営業形態においても、飲食業に向いているとされる人には「料理が得意」「料理が好き」「人に喜んでもらいたい」という根本的な共通点がありますが、固定店舗の「お客様を迎える」スタンスに加え、「お客様のいるところに出向く」性質を併せ持つキッチンカーにおいては、必要とされるメンタル面での資質がプラスされることになります。もちろん、固定店舗よりも気軽な部分も多々あるので、この足し算引き算をきっちり抑え、「どんな人が向いているのか」を事前に知っておくと、キッチンカーという開業の選択肢が、より現実的に見えてくるでしょう。
好奇心で動けるタイプが吉?
まず、初対面におけるコミュニケーション能力に長けた人は強いです。日々違う行先で出会う新規のお客さんの心を掴み、固定ファンになってもらうためには、商品力はもちろんですが、オーナー・スタッフの人間力がよりダイレクトに響いてきますので。また、旅行など新しい刺激が好きで、自分の時間も大切にしたいタイプの人は、自由度の高いキッチンカーでの営業の方が、固定店舗での営業よりもモチベーションが持続するでしょう。固定店舗に比べて運営リスクが小さく、どんどん自分の判断で挑戦できる機会が溢れているので、変化を恐れず、好奇心が先行するタイプの人は、キッチンカー運営に向いていると言えます。
根底には忍耐力が必要!
キッチンカーが稼働するのは人で賑わう“外”です。なので、週末のイベント会場などは、天候をはじめとするさまざまな事情によって盛り上がりが変わったり、メインの催事そのものがなくなったりと、想定外が起きやすい環境にあります。オフィス街のランチ営業にしても、道路関係の規制で直前に場所を変えないといけない、なんて不利を強いられることもあるでしょう。初期投資が抑えられ、維持費も少ない…キッチンカーはメリットだらけにも見えますが、ちょっとした状況の変化で売り上げが散漫になるリスクとも隣り合わせなんです。なので、そういった状況も楽しめ、次に切り替えられる“明るさ”がない次がありませんし、その先にある、想定外に先回りできたり、様々なリカバーを講じられるほどの経験値にも繋がりません。どんな仕事でもそうですが、長期的なビジョンを描けるまで凌ぐ、“忍耐力”が必要になってくるお仕事でもあるんです。