テーマパークを目指す

人気のテーマパークは、アトラクションやキャラクターそれぞれではなく、統一規格の「世界」を演出して、ファンに「非日常」を提供してくれます。イベント性が魅力のキッチンカーも同様で、たとえメニューに個性があったとしても、車両が凡庸なものであればせっかくのインパクトは薄らぎ、「日常」に埋もれてしまうものです。なので、車両とメニュー、周辺環境が引き立て合う「わかりやすさ」を追求し、それぞれの点ではなく、大きな面でアピールできる“売れる”キッチンカーに近づけていきましょう。

クルマから期待感を

まずは、外から見て、シンプルに「かわいい」と思えるキッチンカーづくりを考えましょう。車両本体からいくと、重点項目はカラーリングやラッピングです。当然、オープン前の外注工事レベルでの話となるので、それなりの予算はかかってきますが、車両そのものが大きな移動広告看板となってくれることを考えると、惜しむところではないものと考えます。実際に来店され、メニューを口にしてくれたお客様はもちろん、出店場所でたまたま通り過ぎただけの人や、移動中に見かけただけの人にも「かわいい!」と思ってもらえれば、写真に収めてSNSなどで発信してくれる可能性が高まります。その広がり次第では、金額換算で製作費をカバーできる広告効果を生み出すでしょう。なので、出店場所では、カラフルな手書きの立て看板やのぼり旗、パラソルなどでも雰囲気をカラフルに統一し、打ち出す世界観をより大きく“魅せる”ようにしましょう。

人と音で最高の演出に

華やかなキッチンカーには“動き”もつきものです。テーマパークでいうと、キャラクターのパフォーマンスやパレードであり、キッチンカーにおいては、調理パフォーマンスがそれに当たります。なので、調理スタッフはパフォーマーとして笑顔を絶やさず、ちょっとだけキレがある動きを心がけると好印象。お店で扱うメニューが焼き物系であるなら、ジュージュー音や煙、漂う香りも、通行人を惹きつける武器になります。その躍動感をさらに後押しする音楽が流したりすれば、より近づいてみたくなる魅力度も増すことでしょう。そして、賑わいが人を呼び、人が人を呼び、絶えない行列状態が続くことで、最高の演出が完成するのです。