調理・加工の有無で大別

二輪車を除く自動車で出店場所に出向き、営む移動販売は、営業車内で調理行為を行う「調理営業」と営業車外で調理を施した食品類をパッキングまで済ませた状態で販売するだけの「販売業」の2種類に大きく分けられます。出来立てを提供することがウリとなるキッチンカーの場合は「調理営業」に該当します。営業許可は、食衛生法施行令35条によって34類に分けられており、そのどこに該当するかで、都道府県が定める施設の基準も変わってくるので、注意が必要です。所轄の保健所に相談しながら、間違いのない移動販売車(キッチンカー)製作に取り掛かりましょう。

調理・加工を伴う「調理営業」

営業車の車内で調理と加工ができる「調理営業」は、ご飯もの(カレーライス、オムライスなど)、焼き物、麺類(ラーメン、うどん、そば、焼きそばなど)、“その場で挟む”サンドイッチ”、“その場で詰める”お弁当など、出店場所で仕上げるお食事系全般を対象とする「飲食店営業」をはじめ、コーヒーやジュースなどのドリンク類(+茶菓子類)、かき氷を販売対象とする「喫茶店営業」、出店場所で焼き上げるパンやクレープ、クッキーなどを対象とする「菓子製造業」に分類されます。ちなみに「飲食店営業」では、「喫茶店営業」では取り扱えないアルコール類の販売も許可されていますので、バーの運営などは「飲食店営業」に該当します。なお、「調理営業」において、車内で行える調理・加工は、小分けや取り分け、加熱処理に限られているので、それ以前の仕込み工程は、固定の厨房で行う必要があります。

調理済み商品の販売に徹する「販売業」

営業車の車内で調理と加工ができる「販売業」は、袋詰めのパンやパッキング済みの弁当を販売できる「食料品等販売業」、包装済みの牛乳やチーズ、乳飲料を販売できる「乳類販売業」、包装された鳥獣の生肉(骨や臓器を含む)やソーセージを販売する「食肉販売業」、包装された鮮魚を販売できる「魚介類販売業」に分類されます。いずれも、車内での(中身の)小分けや取り分け、加熱処理などの調理・加工行為は行えません。なお、野菜の販売については特別な許可は必要なしとされています。