手のかかるものは業者が安全

オーナー自らがベース車両を購入し、自らで内装を仕上げていくDIYスタイルがこの頃人気のキッチンカーですが、自分事として製作を検討する際は、豊富なノウハウを持つプロ業者にお任せするという選択肢も持っておきたいところです。特に、DIYでの改造も容易な小型のワゴン車タイプは、大人が車内で立って作業できるような室内高にはなっておらず、キッチンカーの大きな魅力の一つ“車内での調理パフォーマンス”に支障をきたします。そして、背の高いコンテナを架装したり、車両自体を複数人でも稼働できるバスタイプに変更するなど、大型化を図ることとなれば、もはやDIYでまかなえる範疇を超えてしまうので、「プロの業者に頼むとしたら」という想定は、持っておいた方がよいのです。

オーナーが無知だと不利

プロの業者に一任すれば、店舗づくりそのものにかかる時間を大幅に削減でき、メニューや財務計画づくりに没頭することもできますが、完全おまかせ状態で「なにもしなくても大丈夫」かといえば…違います。改造を専門とする業者の中にも、キッチンカーを得意とするところと、そうでもないところがあり、例え実績のある業者だとしも、その経験値には差があるのです。もし、発注側も受注側もよく分からない者同士の場合、どうしても受注側(業者)が主導となるので、結果、「せっかくなので」と無駄な装備が嵩み、予算が膨らむことも考えられます。なので、発注側(オーナー)も基本的な知識を持ち、具体的な相談を投げかけられる状態を作ることがが、無駄なく機能的な一台をつくるための防波堤になるんです。

頼れる業者とは

頼りになる業者を見定めることも、オーナーの大事な仕事です。まず求めるべきは、車両や技術に関してだけでなく、「移動販売」そのものへの知識があることで、それは、経営を絡めた質問に対し、的を射た建設的な回答があるかどうかで分かります。地域によっては保健所の許可内容が違ったりもするので、手続きの詳細を理解しているかどうかも目安になります。そして、具体的に聞いておきたいのは製作実績です。台数はもちろん、どんなキッチンカーを納品したかがポイント。既にオープンしている店であれば、実際に現場で稼働している状況を見てみると、いいキッチンカーを作っているかどうかがイメージできます。頼れるか頼れないかは、修理などのアフター対応にも関わってくることなので、もどかしく感じる業者への依頼は、なるべく回避しましょう。