キッチンカーは8ナンバー対象

キッチンカーは、人や物を乗せる自動車をベースにつくる改造車両です。改造によっては車のスケールそのものがベースのものと大きく変わったり、車内や荷台に調理台や機材などを取り付けることで重量などが変わってしまうことから、ひととおり改造(特装)が終わったら、所轄の陸運局や軽自動車検査協会に登録前の車両を直接持ち込んで、実際に道路を走れるものかどうかを、検査(構造等変更検査)で見定めてもらいます。その結果、取得するナンバーが「8ナンバー」となる場合があるのですが、この際に必要な条件は、「特殊設備や調理面積が運転席を除くスペースの50%以上」で「運転席部分と調理販売スペースが完全に仕切られている」こととされています。

特殊な構造とみなされるメリット

人の移動を目的とした自動車には「5ナンバー」や「3ナンバー」、物の運搬を目的とした自動車には「1ナンバー」や「4ナンバー」が割り当てられる中で、「8ナンバー」は“特殊な用途”のための設備をプラスした「特種用途自動車」に分類されます。ナンバープレート上部の拠点名横に添えられた「8」から始まるナンバーですが、検査で要件を満たし“特殊な構造”と判断されたお仲間としては、消防車、タンク自動車、キャンピングカーなどがあります。なお、8ナンバーを取得しておけば、本格的な厨房機材や作業台などを車内に設置・固定したままの状態で継続検査を受け続けられるので、後々ラクです。

税金や任意保険が安くなる?

陸運局や軽自動車検査協会が登録・発行した検査証(車検証)の内容によって自動車税や軽自動車税が決定しますが、基本的にはベースとなる自家用車のときよりも金額が抑えられるとされています。ただ、過去に節税のために「8ナンバー」を不正取得する例が頻発したこともあって、取得の段階での規制が厳しくなっていますので、専門の業者が正確な基準に則ってつくるキッチンカーの登録が安心かつ、おススメです。あと、任意の自動車保険については、保険会社によっては「8ナンバー」を取り扱っていない会社もあり、「8ナンバー」の取得をしていなくても、改造が行き過ぎている場合、事故の際に適用対象外となることがあるので、このあたりも事前にプロの意見を仰ぐのがベストでしょう。